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株式会社エニアグラムコーチング - ブログ

2015/10/29

【9つのタイプ】タイプ1の見分け方

言葉としては「でなければならない」「であるべき」「絶対に」「完全に」と繰りかえし口にします。話し方は論理的ですが独善的であることもあります。「間違ってはならない」「自分の使命を果たしたい」という熱意から、批判的になり、他者との激しい衝突になっても自己の正当性を示そうとします。また、正義感が強過ぎて、融通のきかない面が出ることもあります。上司・部下に関係なく、倫理に厳格で不正などを見逃さない気質から、監査、品質管理、経理などの業務を好みます。

タイプ1の方は女性、男性ともに、厳しさ、引き締まった顔立ちが特徴です。全体のタッチとしてはきりっとした美しさがあります。物の見方が厳しく、いいかげんなことは言えない雰囲気を感じさせます。服装は比較的シンプルで、派手な格好は控えます。筋肉質か痩せぎみの方が多いです。健康に気を使い、食べ物、運動にもあるべき正当なルールを実行しているからです。怒りを抑圧していることから、歯軋り、または顎の筋肉のバランスが崩れ、口が曲っている方もいます。

 

第3節タイプ1とのトラブル対処法

 

課題1:「対人関係と怒りについて」

 

タイプ1の対人関係は、自分と他者との環境を狭くしがちで、極端な場合は排他的です。他者から非難を受けまいとする気持ちが、他者との交流を狭めてしまうからです。共感的、受容的であることは難しく、否定的(承認しない)意見が常に湧き上がって(①の部分)、攻撃的になる場合もあります。外面は柔和に、しかし内面では厳しく自分と他者を裁き続けています。厳しすぎるほど厳しいルールの存在が本人を抑圧し、怒らせ、傷つけ、悲しませています。それでも、怒りを面に出さないときは、筋肉の緊張による身体的な不具合(口が曲るなど)やひどい肩こり、頭痛を引き起こします。

 

ダイアログのモデルであるスタッフの場合は、先輩のAさんについても怒っていますが、「マネージメントが出来ていない課長に問題があるのではないか」とも怒っています。(②の部分)同時に、自分を抑制できずに課長に話した自分にも怒っています。しかし怒りをあらわにするのは、完全を目指している本人にとって許せないことなのです。語気は鋭くとも表面上はにこやかに話し続けます。また、「私が話したら、とんでもないことになるかもしれないじゃないですか」と、欲求、情熱、怒りのふたを開放させることに恐怖を覚えています。もし、その怒りの大釜のふたをあけたならば、自分と周りはいったいどうなってしまうのだろう、自分はとんでもないことをしでかしてしまうだろう、と感じている(③の部分)のです。

 

タイプ1とのエニアグラムコーチングのポイントは、本人が持っている完全さに対する価値観に共感することと、完全さへの追求の態度を受容することです。

 

例えば「Aさんは許せない」と言われたら「そう感じられるのですね」と何度も共感してあげてください。(④の部分)また本人が、「自分にもっと厳しくあるべきだ」と言ったら、「自分に厳しくあるべきだという情熱を持っておられるのですね」と受容してください。

 

本人へ「誠実さ」「献身的な姿勢」「繊細さ」などの承認の言葉をかけつつ、自分で怒りを少しずつ外側に出させるよう促すコーチングが効果的です。(⑤の部分)自分の力で怒りを出すことで、タイプ1はストレスを溜め込まなくて良くなりますし、怒りを上手に表現することがタイプ1の成長の方向です。また、課長は「僕は、そのことを本人に言えない君に何か課題を感じるな」と鋭い切り口で課題を提示していますが、ここもタイプ1の囚われの急所です。自分に完全さを求めるが故に、他者との関係を無意識に避けるので、避けている自分に深く向き合わせる必要があるからです。さらにエニアグラムコーチとしては、完全の存在は妄想であって、たとえ不完全であっても、「自分は自分で良いのではないか」とのメッセージを与えます。(⑥の部分)完全をめぐってあらゆる挑戦をしてきますが、上司が毅然とした態度で、不完全さ、矛盾をも受け入れ、現実に対応させる姿勢を示し続けることが大切です。タイプ1本人が、「理想的期待を手放し、現実とつながる自分を観察し続けることの大切さ」を学習させることが育成のポイントなのです。

 

 

EC=エニアグラムコーチング例「自分が現実に対応することに気づかせる」

 

課長(上司)「お疲れ様」

スタッフ(部下)「お疲れ様です」

課長「で、話があるというのは、何かな」

スタッフ「こんなことを言って申し訳ないんですが、リーダーのAさんの仕事のやり方にはちょっとついていけません」

課長「というと?」

スタッフ「約束は守らないし、遅刻は平気でしてくるし、コチラの都合は無視して予定は入れるし、問題、大ありです。何とかしてください」(①否定的な意見が常に湧き上がってくる)

課長「君はAさんに問題があると感じているのだね。で、君はそれについて何か話したのかい」

スタッフ「いえ、まだ話していません」

課長「実害を受けている君からは話せないのかな」

スタッフ「でも、これは課全体の問題じゃないですか?」

課長「確かにそうだし、君の怒りももっともだが、彼自身はどう考えているんだろうね」

スタッフ「そんなことより、彼に注意をしてください」

課長「あなたの仕事に対する責任感から、彼の態度が許せないんだね」

スタッフ「課長から注意はしてもらえないのですか?」(②課長にも問題があるのではないかとも怒っている)

課長「ちょっと待ってくれ。彼に問題があるとすれば、彼自身に君の怒りの一つも、ぶつけてみてはどうなんだい」

スタッフ「本当にそんなことをしていいんですか。私が話したら、とんでもないことになるかもしれないじゃないですか。Aさんが傷つくとか」(③自分はとんでもないことをしでかしてしまうだろう、と感じている)

課長「おかしいなぁ。仕事上で注意をするくらいでとんでもないことになるなんて。私は、君のその怒りは、Aさんに対してではなくて、こうあるべきだという、何か理想の姿に対して、怒っているのじゃないか、と感じているんだが」

スタッフ「確かにそうかもしれません」

課長「彼に対して、本当に怒らなければならないのであれば、怒ったっていいじゃないか」

スタッフ「はぁ、でもやっぱり許せません」

課長「彼の問題について、君はずっと、許せない、と感じてきたんだね」(④「と感じられるのですね」と何回も共感する)

スタッフ「・・・」

課長「君は誠実で繊細だから、なかなか言えないかもしれないが、ここで怒っていないで、言いたいことがあれば、直接話せばいい。後は私がひきうけるから、大丈夫だ」(⑤本人へ「誠実さ」「献身的な姿勢」「繊細さ」などの承認の言葉をかけつつ、自分の力で怒りを少しずつ外側に出させるよう促す)

スタッフ「そういっていただけるなら・・・でも本当にいいんでしょうか」

課長「僕は、そのことを本人に言えない君に、何か課題を感じるな。君は君のありのままで良いじゃないか」(⑥「自分は自分で良いのではないか」とのメッセージを与える)

スタッフ「え、そんなことを言われたことはないです。びっくりします」

課長「たまには、君からバーンと言ったら、Aさんも他人の気持ちに、気がつくだろう。でも、問題は言い方だな。上手にコミュニケーションすることも、宿題として考えてみてくれ。また来週にでも話そう。どうやら被害を、受けているのは、君だけじゃないらしいんだ(笑)」

スタッフ「分りました。リーダーが、このことを考えてくれていると知っただけで、ちょっと安心できました。今日は有難うございました」

解説

 

タイプ1は、本当に信頼できる他者の言葉しか受け付けません。タイプ1から、「相手はいい加減な人間ではないか」と少しでも疑念を持たれたならば、信頼関係は形成できません。その逆に、心から信頼できると思われる他者の言葉は、全て無条件に聞き入れる極端さがあります。上司・コーチ・メンターは、タイプ1との信頼関係作りが、最も重要なポイントです。毅然とした、少し厳しい雰囲気を持ったコーチングセッションが、タイプ1には適しています。

 

 

 

 

課題2:「完全主義と病気について」

 

完全主義的なタイプ1の社員に、その気質の傾きが激しく、不健全な状態が続いている場合は、将来に障害が発生することが予測されます。不健全な状態で走り続けていても業務を好成績でこなすことは、タイプ1のエネルギーの出方によって充分に可能であるからです。

 

「ミスは絶対に許されない」「目標は高ければ高いほどよい」という気質を持つ社員は、高い精度・品質・責任が求められる業務には欠かせない勤務態度を示し、企業側としてはありがたい存在です。ではありますが、完全主義的なタイプの気質に、抑うつ、自殺者が多いことは前述したとおりです。

 

仕事が丁寧過ぎて時間に追われ、自分にムチを打ち、不健全な状態でもがんばり過ぎる

ので、適度な労働量に気づかせることが大切です。

 

タイプ1は、もし他者から「最近、頑張っているね」「あなたはここが素晴らしいですね」と承認の言葉をあたえられても「いえ、私はまだまだです」「とてもとてもそんな」などと自己を否定します。(①の部分)一見謙虚な態度にも見えるのですが、自己否定的な対応をすることで、「自分が自分に求めている基準は、あなたが考えているよりももっともっと高いものです。あなたに褒められる、または後ろ指を指されるような、程度の低い人間ではないのです」と無意識に表現しているのです。

 

タイプ1の根源的なエネルギーは「理想的で、完全な状態を作り出そうとするエネルギ

ー」です。逆に言うとあいまいさ、ルーズさ、いいかげんさを許容する範囲が狭いのです。

本人の理想に向かってどこまでも仕事が終わらない(②の部分)ことになり、それが業務全体の妨げにもなります。本人も自分を抑え、がまんし過ぎる性質から、心、身体のバランスが崩れていきます。

 

タイプ1は、本人に任せてしまうと、高い、自分の基準・ルール・マニュアルを作ってしまいます。(③の部分)はじめに上司側から基準・ルール・マニュアルを用意して臨むことは重要です。もし、既にスタートしてしまっていたならば、「その基準は、どの程度ならば適当といえますか?」と質問をして、基準を共有するようにコーチングしてください。(④の部分)

 

EC=エニアグラムコーチング例「本当の基準に気づかせる」

 

課長「最近、頑張っているね」

スタッフ「有難うございます。いやー、自分なんかまだまだダメですよ」(①自己を否定する)

課長「残業も多いし、最近休んでいないようだね」

スタッフ「チェックすべきところも多いですからね」

課長「でもあまり完璧を目指すと疲れないか?」

スタッフ「いやー、確かに疲れますね。家に帰って玄関で寝てしまったこともありました」(②どこまでも仕事が終わらない)

課長「それはまずいな。身体を壊さないかと心配になるよ」

スタッフ「でも完全じゃないと」

課長「気になっているのはそこなのだが、君の完全と会社で求めている完全とはちょっと違うのだがね」

スタッフ「・・・・と言われますと」

課長「会社としての基準があるのは知っているよね。またお客様から求められている、その時の基準がある」

スタッフ「・・・・」

課長「今、君がやってくれている業務は、どの程度、お客様から求められている基準だろうか」

スタッフ「・・・・70%くらいですか?」

課長「いや逆に120%くらいだろうね」

スタッフ「え、そうなのですか?」

課長「そうだね。君は、高すぎる基準でやってくれていたのだ」(③本人に任せてしまうと、高い、自分の基準をつくる)

スタッフ「気づきませんでした」

課長「基準を下げてやったとして、どのような方法になるかな」

スタッフ「・・・・自分なりのマニュアルを作っているので、それを見直します」

課長「そうか、じゃ、見直したら僕に見せてくれるかい。今の君は、明らかに、頑張りすぎだよ」(④基準を共有するようにコーチングする)

スタッフ「本当に大丈夫なんですかね」

課長「君の完全、でなくとも、業務としては充分にいけるよ。大丈夫だ」

スタッフ「分りました。実は、どこまでを求められているのか、はっきりせずに苦しんでいました。有難うございました」

 

解説

部下がいる場合は、タイプ1の高すぎる理想を押し付けた指導をすることになり、部下を離職させる原因にもなりますので、上位者は充分に注意をしてあげて下さい。尚、タイプ1へのNGワードは、「あなたは堕落している。欠陥がある。よこしまである」です。人に後ろ指をさされないように生きようと常に努力をしているタイプ1は、自分の欠落や不足を指摘されることは、死んだ方がましと感じます。そしてこれらの言葉を放った人に怒り、復讐も計画します。気をつけましょう。

 

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1日集中セミナーへご参加いただいた方の感想

荒井 かおり 様(仮名)
目から鱗が落ちるような新鮮な発見と驚きがたくさんありました。与えていただいた情報量が多すぎて頭の中で整理できていないので、今日いただいた資料やとったメモを折に触れて見返したいと思います。
8時間という長時間でしたが、時間の長さを全く感じることなく、最初から最後まで興味深くお話を伺うことができました。その人の表面に見えている態度・行動と、その深層にある心理の関係がわかり、これから自分自身や他人について、常にその背景を考えるようにしたいなと思いました。
自己診断で私はタイプ4だと思っていました。そして実際にタイプ4だとわかったのが良かったのか悪かったのか、少し複雑な気持ちです。
自分はどうしても他者を否定し、自分の中の世界だけで生きてしまう傾向があるので、これからは各タイプそれぞれの違いや良さを認められるように意識を改革していきたいと思っています。
お話を伺っていて「タイプ8とタイプ3が似ているな」とか、「1番を求めるならタイプ1も近いのかな」と思ったのですが、これは他者に対する意識や、他者との関係の違いや基準が、外にあるか内にあるかの違いなのでしょうか。
また自分の中にも複数の要素があると思ったので、家に帰ってまた学習したことを見直ししてみたいと思います。本日は貴重なお話をしていただき、ありがとうございました。

村上 恵美 様
「自己理解でハッピーになる1日集中セミナー」、ありがとうございました。
子どもや主人の事など相談させていただいて、どうすれば良いか具体的な方法を教えていただけて大変役に立ちました。
9タイプすべての言語をマスターするには、まだ時間がかかりそうですが、まずは自分と家族、身近にいる人たちのタイプを知って、学びを役立てていきたいと思います。
子育てしていく上で、エニアグラムコーチングを学べたことは、とても良かったと感じています。子どもそれぞれのタイプをいかしてかかわっていき、一緒に成長していきたいと思います。
私はタイプ1なので、エニアグラムを知らなければ、タイプ4の娘をつぶしてしまっていたかもしれないと思います。エニアグラムを学べたことに感謝致します。

山本 豊 様(仮名)
自己の分析を通して、今後の自分の成長に繋がるよう、課題や問題を克服していきたいと思いました。9つのタイプは大変理論的であること、生物学的にも説明がつくことを、改めて認識することができました。1日限りのセミナーでしたが、ここで得た知識に基づいて、今後にいかしていきたいと思います。


安藤 仁志 様 (男性)
非常によかった。経営に活かせる生(なま)の知識だと感じた。人を動かすための必須知識!

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