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株式会社エニアグラムコーチング - ブログ

2015/11/23

【9つのタイプ】タイプ8とのトラブル対処法ー「改善に取り組ませる」

タイプ8にやる気をださせるためには、「挑戦」「勝負」といった場に本人を置くことことです。例えばタイプ8の部下に上司がにこう言ったらどうでしょう。

「この難しい目標に挑戦してみろ。もしクリヤー出来たらお前の勝ちだ」

 

このフレーズの中は、難しい目標、挑戦、勝ち、と言う3つの単語が含まれており、タイプ8のモチベーションが猛烈に高まるよう、EC=エニアグラムコーチングが活用されています。この上司の言葉に対しタイプ8の部下は、必ずや、メーターが振り切れんばかりにエンジンをふかし、車も壊れんばかりの勢いで目標にぶつかっていくことでしょう。このように、タイプ8のやる気を引き出すことはそれほど難しいことではありません。

 

では、タイプ8のリーダーが、部下のやる気を出させることはどうでしょうか?前述したとおり、恐怖や相手を追い詰めるやり方で、タイプ8は部下のやる気を無理やり引き出そうとします。(①のセッション部分)その方法は、もちろん長続きしません。

 

タイプ8上司の課題は「脅迫・圧力以外の方法で、部下にやる気を出させる術を身につけること」です。EC=エニアグラムコーチングは、各タイプに適合したモチベーションを高める体系ですが、もし、タイプ8に従来の方法を、急に、又は一方的に変えてもらおうとして説得しても、強い反発のパワーで跳ね返されてしまうことでしょう。彼らは他者からの言葉に非常に敏感に反応するか無視します。他者の言葉によって、自分が責められるのではないか、隙をつかれて支配されてしまうのではないかとの恐怖を感じ、必死の抵抗をします。(②のセッション部分)弱点、欠点をつかまれ、コントロールされるのではないかという恐れの塊になってしまうのです。

 

タイプ8リーダーには、問い掛けを受け入れる姿勢を作らせることが大切です。本人も、これからどうしようかと悩んでいる場面で、こちらの心を開いて、悩んでいる正直な気持ちを伝えることが第一歩です。(③のセッション部分)その上で同じ悩みを持つ立場として「もっといい仕事をするために協力してもらいたいが、どうだろうか」という姿勢で接すれば、タイプ8は積極的に耳を傾けます。意見や感想を聞いてみると、タイプ8も心を開き、協力的になってくれます。共に課題を共有して、お互いに反省すべき点、変えた方がよいと思う点があることに気づけば、積極的に行動も変えようとします。(④のセッション部分)
 

また、言葉も「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず」「作戦を練る」「他の課には負けたくない」など、タイプ8が共感できる表現を用い、同じ戦いにタッグを組む仲間として接することも要諦です。上から物を言うような態度をとった途端、心を閉ざすのがタイプ8です。コーチングは短めで、ストレートである方が効果的です。(⑤のセッション部分)

 

 

EC=エニアグラムコーチング例「改善に取り組ませる」

 

課長(上司)  「お疲れ様」

リーダー(部下)「お疲れ様です。早速ですがお話しとは、何か?」

課長  「うん、君のチームのスタッフの件なのだが、全体としては良いのだが、個々にはどうも営業成績に、ばらつきを感じるのだが」

リーダー「いや、大丈夫です。みんな頑張っています」

課長  「なるほど、それで?」

リーダー「本人たちは、結構やる気をだしているので、もうちょっと待ってください」

課長  「確かにそうかもしれない。で、君としてはどのような話し方をしているのかな」

リーダー「次回の営業会議までに、目標が達成できなければ、全員、坊主だと言ってあります。もちろん冗談ですけど」(①恐怖や相手を追い詰めるやり方で、部下のやる気を無理やり引き出そうとする)

課長  「はぁ、坊主か。みんなは、それでモチベーションは上がっているのかな。怖がっているのじゃないかな」

リーダー「大丈夫ですよ。相当やる気を出しています」

課長  「そうかな、確かに君はやる気が出るのだろうが、皆はどうかな、離職者が続いている」

リーダー「本人たちの、仕事への厳しさが、足りないんじゃないですか。自分は、そう感じているのですが」

課長  「それもあるだろう。しかし、他の課に比較して離職率が高めだ」

リーダー「そうすると、私に何か問題があると」(②隙をつかれて支配されてしまうのではないかとの恐怖を感じ、必死の抵抗をする)

課長  「いや、そうではないが、これは私の悩みのひとつだよ」(③こちらの心を開いて、悩んでいる正直な気持ちを伝えることが第一歩)

リーダー「・・・」

課長  「他の課に負けたくは無いので、他のリーダーはどのような接し方で、モチベーションを上げているのか、そこに何かがある、と考えるのだよ」

リーダー「・・・まあ、そうかもしれませんね」

課長  「我々にも改善点があると思うのだが」

リーダー「・・・」

課長  「すぐには結論が出ないと思う。私も他の課のやり方や、人間のモチベーションの上げ方について、学ぼうと思っている」

リーダー「そうですか」

課長  「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず、と言うからな」

リーダー「確かにそうですね。私も考えます」

課長  「忙しいと思うが、来週また時間を作ってくれ。一人一人について、どうやったらやる気を出させられるか、もう少し作戦を練ろう」(④共に課題を共有し、お互いに反省すべき点、変えた方がよいと思う点があることに気づけば、積極的に行動も変えようとする)
リーダー「分りました」

課長  「君の都合の良い日程を、いくつかメールにいれておいてくれ。今期の営業成績では、他の課には負けたくないからな」

リーダー「分かりました」(⑤「他の課には負けたくない」など、タイプ8が共感できる表現を用い、同じ戦いにタッグを組む仲間として接する。コーチングは短めで、ストレートである方が効果的)

 

解説

 

このダイアログはある大手ITベンチャー企業、20名のリーダーにEC=エニアグラムコーチング研修を実施したときの実例をもとに作られています。その時、研修参加者のリーダーの3割がタイプ8でした。部下のやる気を引き出す方法について説明していると、タイプ8の一人が手を挙げて、私に質問しました。

 

「先日、営業のスタッフミーティングで、部下のやる気を高めるために、『もしお前が目標達成できない場合、バリカンで坊主が良いか、コカコーラ1.5Lイッキ飲み、どちらが良いか、選べ』と言ったのですが、これではやる気はでないのですか?」

 

私はこの答えにどう答えるべきか窮しましたので、参加者全員に問いかけました。

「この話し方で、やる気が出る人はいますか?」

 

手を挙げた人が数人いました。手を挙げたのは、全員タイプ8のリーダーでした。この脅しの方法でやる気がでると本気で信じているのです。なぜならば、緊急事態に最大のパワーが出せるのが、タイプ8だからです。自分のモチベーション上げるために、「背水の陣」「○○まで、あと何日」などの逃げ道のない状況に追い込んで、タイプ8特有の「危機を乗り越える力」を活用します。タイプ8リーダーへのエニアグラムコーチングの課題は、「脅迫・圧力以外の方法で部下にやる気を出させる方法を考えさせること」です。

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